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砂場をつくる



砂場を作っている。ここで砂というか土を育てようと企てた。人工的な屋上で都市とともに自然に育つ砂はどんな砂になるのか。5F屋上から空を飛び、地下の穴蔵で生活するのためのドアであり通路である。


ホームセンターで購入した砂や砂利を5Fの屋上まで運んでいる間に、砂はどこまでが砂なのかと、疑問に思った。もしここに小麦粉を撒いたとしても、小麦粉はおそらく砂と言ってもバレない。動物の死骸を埋めたとしても同様のことが起こるだろう。


砂を育てると考えた時、砂に与える栄養とは何か。マグネシウムやナトリウムなどの電解質を与えるべきか。また美味しいご飯や野菜を与えるべきか。


待て待て、砂の健康とはどういうことか。砂の色・艶がいいことが健康か。野菜や花などの植物が育つことが健康か。


一方で、砂はどうなればゴミになるのか。使う人間が砂をゴミと認定したときか。砂がゴミであることと自覚したときか。


そもそも健康とは何か、ゴミとは何か。もうよく分からない。ひとつ、土に何かを埋めることは、何かをリセットする機会になる。


人間の健康もそう大きくは変わらない。また人間がゴミにされる瞬間も同様だろう。


しかし、砂場を作ることは、世界を作ることのような気もした。公園の砂場は既存のものだし、この世界もすでに作られたものであるから。


土をいじりながら、世界のいじり方を考えるような時間に。来週3/25土興しの会、最終回。

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